Diary No.13「将校の魂」
近所の友人から「塚本さんは戦場で軍刀を使ったことがあるの?」と聞かれました。 考えてみれば、将校は皆軍刀を所持していましたから、実戦の時は当然使うだろうと思うのは当然ですね。 日露戦争当時の絵などで、よく大隊長などが軍刀を振りかざして敵陣に突撃しているのを見た覚えがあります。しかし実戦で果たしてどれだけ抜刀された刀が振り回されたことでしょうか? 将校の刀は、平時では指揮刀(サーベル)であり、戦場には軍刀の刃を研いで持参しました。 ご存知マーカス岬の戦場で、目の前に敵の戦車が突入してきた時は当然ながら抜刀して いました。 随伴歩兵が目の前にやって来たら切り殺してやる覚悟で柄を握り締めていました。 また、部下に行動を指示する時には、やはり抜いた軍刀と声で方向を指示しました。 転進中、将校斥候を仰せつかった時も終始抜刀していましたね。当然のことですが。 その後、渡河中に転落して流された時以来、鞘に水が入り少し錆が出てしまいましたが、 幸か不幸か軍刀の出番がないまま終戦になりました。 軍刀が将校の魂だったことには間違いありません。 敗戦の責任を負って将軍達が、軍刀で割腹自決をした話には泣かされます。
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