Diary No.12「戦場のメリークリスマス」
戦場での思い出です。 昭和18年の12月末、わが第一大隊はマーカス岬へ向けて悪戦苦闘の最中であった。 毎日のように上空では敵機の爆音がする。 幸いマングローブの枝、葉に覆われており上空からは遮蔽されている。 足元が心許ないため上を見る余裕などない。 時々機銃掃射をやってくるが、我々が発見されたわけではないのは 経験で判断できる。 或る日珍しく敵機の爆音、機銃掃射が全く無かった。 その時は別に気もつかず日が代わった。 翌日は、朝からまたバリバリと始まった。 マングローブの林を通り抜けて広場に出たてみると、 上空はがらがら、敵機に発見されたら大変である。 行軍中、誰かが「そういえばクリスマスは何時だったかな?」との声。 「そういえばこの前、一日中機銃掃射のない日があったな。15日?25日?だったかな? あの日はクリスマスじゃなかったかな?」と。
こちとらはクリスマスどころではない。
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