マーカス岬には福島隊が配置されていた。(第百十五聯隊第一中隊長福島鶴寿中尉)十五日未明、敵の第一波は、十五隻のゴムボートに
分乗しベンガル正面に奇襲的に上陸を開始。(米公刊戦史ににも15隻投入し12隻撃破されると記されている)このとき対空砲の海軍十三粍機銃の射撃が極めて有効であったとされ、午前三時三十分の頃であったとの事だ。福島隊は直ちに海岸に配備に付き、射撃により12隻を海上で撃破。敵は混乱したが再び態勢を立て直し
、今度は猛烈な艦砲射撃と爆撃の援護下に上陸を強行し、その日の午後福島隊は逐次圧迫され、飛行場を経てブリエ河畔に後退した。 敵は上陸後マーカス半島の頭部に堅固な陣地を占領し、ピレロその他の島を確保、その一部を飛行場附近や海岸の要点に出して我方の奇襲上陸に備えていた。
そのころ小森大隊は「小森大隊はマーカス岬に急進して敵を攻撃すべし」との師団命令を受け、マーカス岬強化の為南下中であったが、
敵が上陸した15日未明小森大隊はナカナイ山脈を越えつつあった。前進困難なジャングルを急ぎブリエ河畔デイデイモップ付近で後退中の
福島隊を掌握して25日マーカス飛行場付近に進出した。
小森支隊が困難なジャングル内の行軍ののち、直ちに攻撃に移り、敵に占領されていた飛行場を攻撃奪回し、引き続き主陣地に猛攻を加え
多大な損害にもかかわらず一歩も退かず攻撃を続行しているとの状況を把握した各方面が、支隊の戦闘振りを極めて高く評価していた。
このころ、第十七師団司令部に小森支隊から「依然任務を達成しあり、戸伏大隊の来援により士気旺盛、敵の砲撃によりマーカス半島は清野化され
糧秣は現地のものを消費し尽くせり」といった報告が寄せられていた。
小森大隊4Co/第四中隊長鯵坂済美中尉の回想
ジャングルが多く敵陣地の状況がつかめないのには苦労した。方向維持が容易なため海岸から攻撃した。我損害が多いのは敵の迫撃砲によるもので、この迫陣地を襲撃すべく企図したがなかなかその所在が掴めない。今回の作戦目的は「マーカス飛行場を敵に渡すな」と聞いていたので急いで飛行場に進出した。
敵の抵抗はなく簡単に占領できた。(飛行場とは言ってもちょっとした草原があるだけでこのままではとても使用できないと感じた。 ジャングル戦は初めてであったが、38式歩兵銃は銃身が長くしかも単発であるので、ジャングル戦では不向きで、敵の持っている短機関銃の方が
遥かに良いと痛感した。25日、26日、夜襲により敵陣地を攻撃し突破を試みた。敵に相当の損害を与えたが遂に突破は不成功に終わった。
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