Diary No.36「忘却の彼方」
戦闘中の約2カ月間は、1分1秒死と向き合っていたのです。 それでも各人は自分の職責を果たしながら行動をしていました。 戦友会で話し合ってみると、一様に当時の自分の細かいことが 吹っ飛んでいてよく憶えていないと言っていました。 極度の緊張での毎日ですからこういう心理状態になるのでしょう。 私の場合、敵戦車群との対決の方がよく記憶に残っています。 砲爆撃が止んで、脅威は対戦車だけだったことにあるのかもしれません。 戦車砲を撃ってはきましたが、戦車は所詮めくら同然です。 戦車砲の下に潜り込んでしまえばこっちのものですから。 高知県出身の野々村伍長、中谷兵長の活躍が目立ちました。 野々村伍長が2階級特進し、曹長になったことは既報の通りです。 (戸伏大隊長と私が金鵄勲章の候補になったことも同様です。)
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